*

U2『From The Sky Down』

公開日: : 最終更新日:2019/11/22 U2 , , ,

U2『From The Sky Down』

さて、Achtung Baby Super Deluxe Edition』のDVDディスク1は、『Achtung Baby』の制作過程を中心にしたドキュメンタリー映画だ。

『Achtung Baby』がリリースされたのは、1991年。しかし映画の冒頭とラストは、2011年グラストンベリーでステージに立つ直前の4人の姿だ。そこから当時の映像と、回想する現在のメンバーとが交互に行き来するという構成になっている。とはいえ1991年前後だけでなく、バンド結成や初期の活動も描いている。

正直に言って、ケチをつけたいところはいくつかある。作風は非常に地味で、気を引き締めないと寝てしまう(笑)。プロデューサーのブライアン・イーノやダニエル・ラノワが、ほとんど出てこないのも不自然だ。ライヴのシーンも少ない。というか、ほとんどない。まるで、ファン度を試されているようだ。

見所は、やはり曲が出来上がってくる過程を映像として垣間見ることができる点だろう。メンバー間のやりとりは時に緊張感も孕むが、それはよりよい音楽を目指すがゆえのぶつかり合いだ。『One』では、ボノが歌詞ではなくギターのコードを口にしていて、これがとても興味深い。

ボノがツアーに際し、自らに課したキャラクター「マックフィスト」。サングラスをかけ、黒ラメの革ジャンをまとい、道化とも傲慢とも受け取られかねないパフォーマンスをする。そのキャラ作りのねたもとは、、エルヴィス・プレスリーなどだそうだ。ここで、はっとさせられた。ツアーで『Sattelite Of Love』を歌いモニターのルーとデュエットを果たしたり、オーラスが『Can’t Help Fallin’ Love With You』だったりしたのには、こういうウラがあったのだ。

バンドに定着しかけていた「清く正しい」イメージは、ともすれば彼らの音楽性に制限をかけてしまう危険性があり、バンドもそれを恐れていた。『Achtung Baby』、及びZoo TVツアーによって、テクノロジーの大胆な導入を果たし、呪縛から解放されたのだろう。

ワタシが観たDVDは75分だったが、WOWOWで放送されたのは85分あった。早送りしてみると、確かにDVDにはなかったシーンがいくつかある。なんで?と思い調べると、別途単品リリースされているバージョンはディレクターズカット版で、恐らくWOWOWが放送したのはこちらだと思われる。

関連記事

U2『Popmart:Live From Mexico City』

U2が、97年に行ったライヴのDVDを観た。同年リリースのアルバム『Pop』に伴うツアーから

記事を読む

U23D

U23D(日本公開2009年)

U2のヴァーティゴツアーのライヴが、2009年に劇場公開されていた。字幕は全くないが、タイト

記事を読む

ウィズアウト・ユー(1999年)

音楽PV監督のジェイクは、制作会社からハリウッド映画の監督を任されることになった。一方で、フ

記事を読む

U2ファイル

U2に関する本はいくつか出版されていて、ワタシも何冊か読んでいる。それらの中で決定的と思える

記事を読む

U2『The Unforgettable Fire(Deluxe Edition)』

U2が1984年にリリースした通算4枚目のアルバム『The Unforgettable Fi

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑