*

ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Secret World Live』

ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Secret World Live』

が1992年にリリースしたアルバム『Us』に伴うツアーより、1993年にイタリアのモデナでおこなわれたライブが映像化されている。

『So』のツアーはシンプルなステージセットだったが、今回は色々と凝っていて、映像としての見応えは格段に向上した。オープニングは電話のコール音なのだが、やがてステージ上の電話ボックスの中にピーターがいることがわかり、受話器をマイクに見立てて『Come Talk To Me』を歌い出し、この掴みだけで引き込まれる。

バックドロップには楕円形のスクリーンに映像が流れ、ステージからはアリーナ中央に花道が突き出ていて、その先に円形のセンターステージがある。ハンドマイクではなくヘッドフォンマイクをつけて、歌いながらステージ上を闊歩するさまはお馴染みだ。

バンドメンバーは『So』のときとほぼ同じと思われるが、今回はバックヴォーカルの女性が加わっている。原曲のケイト・ブッシュやシニード・オコーナーのパートを担うこの人、実は後にソロアーティストとして成功するポーラ・コールだった。時期的に、このツアーに帯同したときはデビュー直後くらいだったようだ。

アンコールの『Secret World』では、センターステージが上部から白いドーム状のカバーで覆われ、まさに曲名を体現するような秘密の世界を彷彿とさせる。花道に置かれたトランクが開き、メンバーがひとりずつトランクに入り、(エレベーターになっていて)トランクの中に吸い込まれるようにして退場していく。「」より20年以上前に、コレをやっている!メンバー全員が吸い込まれたところで、ピーターはトランクを閉めて持ち歩き、ステージを後にするという演出だ。

このモデナのライブから約半年後の94年3月に、来日公演が実現している。ワタシは武道館まで観に行き、これが初にして唯一のこの人のライブ体験になっている。しかし、日本公演はステージセットが大幅に縮小され、電話ボックスもシークレットドームもなかった。更には、ピーターの来日もこのときが最後で、当人はその後も現在まで活動しているものの、来日は実現していない。

関連記事

ジェネシス(Genesis)『Archive Vol.1 1967-1975』

ピーター・ガブリエル在籍時代のジェネシスのボックスセットが、1998年にリリースされている。

記事を読む

ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『Growing Up Live』

ピーター・ガブリエルは、2002年に10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Up』をリリース。そ

記事を読む

The DIG Special Edition ジェネシス(Genesis)

2014年にイギリスBBC放送でジェネシスのドキュメンタリー番組が制作・放送され、黄金期のメ

記事を読む

ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)『So 25th Anniversary Collection』

ピーター・ガブリエルのアルバムで商業的に最も成功したのが、1986年リリースの『So』だ。ヒ

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑