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「ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡」を観た

ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡

1970年。デヴィッド・ボウイはギタリストを探していて、人づてにミック・ロンソンを知る。当時ミックは地元ハルで庭師をしていたが、ロンドンに出てボウイと音合わせし、その日の夜にテレビ番組に出演してボウイの横でギターを弾いた。

ミックはギターだけでなくプロデュースのスキルも磨き、ボウイ作品に参加する一方、『Transformer』をボウイとの共同名義でプロデュースする。スパイダース・フロム・マースとしてボウイと共に精力的に活動する一方、マネジメントからは満足なギャラを得ることができず、ボウイがスパイダースを解散させた後は、別々の道を歩むことに。

ミック・ロンソンのドキュメンタリー映画なのだが、タイトルが示す通りデヴィッド・ボウイとの関わりによる発信が大半だ。時間帯によっては、ミックではなくボウイのドキュメンタリーなのでは?と思えてしまう瞬間も少なくない。ミックがボウイと別れてからの活動期間は15年以上はあるのだが、この期間はぎゅっと短縮されてしまっていて、観ていて複雑な気持ちにさせられた。ボブ・ディランのローリング・サンダー・レビューにも帯同しているのに、華麗にスルーされている。

ミックは肝臓がんにより1993年に亡くなっている。生前の本人によるコメントのほか、この人に関わったさまざまな人たちが証言している。ルー・リード、ボウイの先妻アンジー、リック・ウェイクマン、ジョー・エリオット(デフ・レパード)、イアン・ハンター(モット・ザ・フープル)、ロジャー・テイラー()、アール・スリック、グレン・マトロック、マイク・ガーソン、写真家ミック・ロック、ミックの奥さんと妹など。ボウイはナレーションとして組み込まれている。

ルー・リードは、ミックはハル訛りがきつくて会話には苦労したと言っていたが、スタッフによれば『Transformer』への貢献度はボウイよりもミックの方が高かったそうだ。アンジーはボウイ・ミックとの共同生活による音楽活動を語り、妹や夫人は肝臓がんが発覚してからのミックの様子を切々と語っていた。

フレディ・マーキュリーの追悼コンサートにて、ボウイとミックは10数年ぶりに共演を果たした。同じくステージにいたのが、ロジャー・テイラー、ジョー・エリオット、イアン・ハンターだった。自らのルーツをグラムロックと公言しているジョーは、まるで子供のように嬉々として語っていた。

残された時間を音楽に捧げるべく、ミックはボウイの『Black Tie White Noise』に参加し、『Your Arsenal』をプロデュース。亡くなった1年後に、ボウイをはじめとするアーティストたちが参加したアルバムが完成し、ミック・ロンソン名義で『Heaven And Hull』としてリリースされた。

冒頭がピアノの自動演奏で、これ何だろう?と思ったのだが、終盤で明らかになった。マイク・ガーソンがミックを追悼する即興の曲を弾いていて、そのメロディーだったのだ。

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