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マリー・アントワネット(2007年)

マリー・アントワネット(2007年)

18世紀後半。オーストリア王室の末娘マリーは、政略結婚により14歳でフランス皇太子と結婚。義理の祖父である国王ルイ14世の死去により、18歳にして王妃となる。しかしまじめで不器用な夫のルイ16世は、マリーになかなか興味を示さない。

故国の母や兄からは両国の良好な関係を保つための世継ぎをせかされ、板ばさみになったマリーは、ファッションやギャンブル、オペラといった優雅な生活へと暴走するようになる。一方で、夫とは真逆で男性的な魅力に溢れている、スウェーデン人のフェルゼン伯爵に恋焦がれるようになる。

従来のマリーのイメージは、「国の財を浪費しまくった無能でおろかな女」的なものがほとんどだが(劇場予告編もそのイメージを前面に出した形だったが)、この作品ではマリーがなぜ浪費の道へと向かったのかという彼女自身の心理状態や背景を描くことに重点を置き、浪費生活からフランス王室陥落といったよく知られている部分については割とはしょっている。

その浪費についても、無数の靴や極端に盛り上がったヘアスタイル、ゴージャスなドレス、といったパーツをクローズアップすることで、豪華さを浮かび上がらせている。監督のソフィア・コッポラ独特の感性だろう。マリーを演じるのは、キルスティン・ダンストだ。

音楽関連でも、注目すべき点がたくさんある。ニュー・オーダーやキュアー、ギャング・オブ・フォーといったニューウェイヴのアーティストのほか、近年のデジタル勢や若いロックバンドの曲が頻繁にBGMとして流れ、耽美的で退廃的な空気感を演出することに成功している。オープニングのロゴはセックス・ピストルズのジャケのパロディだし、マリアンヌ・フェイスフルがマリーの母役で、フェニックスのメンバーがマリーを癒すミュージシャン役で出演しているのも嬉しいところだ。

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