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バニシング・ポイント(1971年)/バニシング・ポイント 激走2000キロ(1997年)

バニシング・ポイント(1971年)

プライマル・スクリームが題材を求め、97年に同タイトルのアルバムもリリースした映画「バニシング・ポイント」を観た。

クルマの陸送をする主人公コワルスキーは、友人と賭けをしたことでデンバーからサンフランシスコまで15時間で走破することになり、猛スピードで疾走。当然警察に追われるが、天才的とも、あるいは無謀とも言えるテクニックで、次々に追手をかわしていく。

一方、警察の無線を傍受した人気DJが、放送でコワルスキーを英雄視する発言をし、逃走劇は一般人の注目を集めることとなる。逃走劇の中で、ベトナム服役〜警察官〜カーレーサー〜恋人の水死といったコワルスキーの経歴がちらつくのだが、そうした過去を経たコワルスキーは極端に口数が少なく、何を考えているのかわからない不敵さが漂う。

もともとの賭けにしたって軽いやりとりだし、何が何でもやってやるというような熱い情熱をたぎらせるでもなく、淡々とハンドルを握る。そして、衝撃とも無情とも言えるラストを迎えるのだ。

この作品、実は97年にリメイクされている。時代背景が異なることもあり、コワルスキーの過去は湾岸戦争服役とされ、また警察の猛追にはFBIがからんできて、カーチェイスだけに留まらず銃撃戦にまで発展。また、オリジナルではDJは盲目の黒人だったのが、リメイク版では白人になっている。

しかし最大の違いは、主人公コワルスキーの描き方だ。リメイク版はヴィゴ・モーテンセンが演じ(「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルンを演じる4年前)、出産を控えた妻が病気で入院するという設定になっている。オリジナルでは目的という目的もなくただ疾走するコワルスキーだが、リメイク版では妻を見舞うために走るのだ。しかし終盤で妻の死を知り、目的を失ったヴィゴ・コワルスキーは、行く道を行くしかなかったのか、オリジナルと同じラストを迎える。

なお蛇足だが、オリジナル版で砂漠をさまよったコワルスキーが、自由を謳歌する集団に出くわす場面がある。そこで嬉々として演奏しているのは、デラニー&ボニーとリタ・クーリッジだった。

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