*

イギー・ポップ(Iggy Pop)『A Passion For Living』

イギー・ポップ(Iggy Pop)『A Passion For Living』

2005年にリリースされた、イギー・ポップのドキュメンタリー映像『A Passion For Living』を観た。

アーティストとしての半生を現在のイギーが自ら淡々と語り、合間に当時の映像が流されるという構成になっている。幼少の頃キャンピングカーに住んでいたという話から始まり、やがてアーティストを志し、ストゥージズ結成に至る。

ファーストアルバムをジョン・ケイルがプロデュースしたこともあり、ニコと知り合い恋人関係に。そしてニコに勧められる形でドラッグに手を出し、これが以降長きに渡ってイギーを苦しめる。そんな中手を差し伸べたのがデヴィッド・ボウイであり、ボウイはイギーの作品に全面協力したばかりか、キーボード奏者としてツアーにも帯同。やがてイギーは自らの力で再生を果たす。

その長いキャリアの割には映像作品の少ない人で、この作品の最大の見どころは随所に登場するライヴパフォーマンスだ。91年のライヴを収録した作品『Kiss My Blood』の転用は予測できたが、まさか70年のストゥージズや、ボウイと共にテレビ出演した70年代後半のライヴ映像が観られるとは思わなかった。

ストゥージズではイギーが興奮してステージを降り、フロアに突入してファンに担ぎ上げられた状態でそのまま熱唱。今では若いアーティストが頻繁にやっていることだが、元祖はこの人ではないだろうか(この人以前にこういうことをしそうな人が思いつかない)。

イギーはステージでは狂乱のパフォーマンスをする人だが、その半生を語る本人は意外なほど落ち着いていて、知性すら感じさせる。この人はステージではイギー・ポップというパフォーマーを演じているのかなという気にさせられるし、そのたたずまいは亡くなったプロレスラーのブルーザー・ブロディを思い起こさせる。

イギー関連のドキュメンタリー映像としては、ストゥージズを取り扱った『ギミー・デンジャー(Gimme Danger)』があるが、本作はその姉妹編的な位置づけに当たる気がする。

関連記事

イギー&ザ・ストゥージズ(Iggy & The Stooges)『Escaped Maniacs』

イギー&ストゥージズのDVDを観た。3つのコンテンツで構成されている。 【ライヴ映像】

記事を読む

イギー&ザ・ストゥージズ(Iggy & The Stooges)『Live In Detroit』

2003年8月のデトロイト公演を収録した、イギー&ザ・ストゥージズのライヴDVDがある。日程

記事を読む

イギー・ポップ(Iggy Pop)『First Class Passenger』

イギー・ポップのライヴDVD『First Class Passenger』を観た。 イ

記事を読む

ギミー・デンジャー(Gimme Danger)

ザ・ストゥージズ(The Stooges)のドキュメンタリー「ギミー・デンジャー(Gimme Danger)」を観た

イギー・ポップがジム・ジャームッシュに依頼し、なんと8年の歳月をかけて作られた、ストゥージズ

記事を読む

アメリカン・ヴァルハラ

イギー・ポップとジョシュ・ホーミのドキュメンタリー「アメリカン・ヴァルハラ」を観た

イギー・ポップは2016年にアルバム『Post Pop Depression』をリリースして

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑