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蜘蛛の巣を払う女(ネタバレあり)

蜘蛛の巣を払う女(ネタバレあり)

スウェーデンのストックホルム。天才ハッカーのリスベット・サランデルに、AIの権威バルデル博士から依頼が来る。自らが作ってしまった格攻撃プログラムを、NSA(アメリカ国家安全保障局)から取り戻してほしいというものだった。リスベットはハッキングに成功した後に博士との接触を図るが、自宅を謎の組織に爆破されてしまう。

仕掛けていた監視カメラから、組織の工作員に蜘蛛の刺青を確認。その組織は「スパイダー」と言われ、かつてはリスベットの父が率いていて、そして今は16年前に別れた妹カミラが組織のリーダーになっていた。

スウェーデン作家による小説『ミレニアム』シリーズに基づくが、ハリウッド映像版としては第1作「ドラゴン・タトゥーの女」が2012年に日本公開され、今作は原作の2作目3作目をスルーして4作目の映像化になる。デヴィッド・フィンチャーは監督から製作総指揮にまわり、キャストも一新。なので、「ドラゴン・タトゥーの女」の続編というよりは、別ものとして観た方がいいと思う。

リスベットはクレア・フォイという人。この後公開予定の「ファースト・マン」で、ライアン・ゴズリング演じるアームストロングの妻役を演じている。今回のリスベットはドゥカティを華麗に乗り回し、スパイダー工作員との格闘もあり、と、最早ハッカーというよりCIAやMI6のエージェントに近い。もちろんハッキングの技は冴え渡っていて、ミカエルとビル越しにエレベーターを止めてスマホで会話する場面や、空港の設備を次々に乗っ取って操るさまには、むしろそこまでできる!?というツッコミを入れたくなる。

ミカエルを演じたのはスベリル・グドナソンという人で、去年公開されたボルグとマッケンローの映画でビヨン・ボルグを演じた人だそう。カミラはシルヴィア・フークスで、「ブレードランナー2049」でウォレス社のレプリカントを演じていた人。今回はブロンドのロングヘアで見た目はかなり異なるが、内に狂気をはらんだキャラクターは通じている気がする。

フィンチャー版の「ドラゴン・タトゥーの女」は、映像美といい、ルーニー・マーラの体を張った演技といい、ダニエル・クレイグの存在感といい、トレント・レズナーが手がけた音楽といい、カレン・Oが歌う『The Immigrant Song』といい、とにかく斬新で、かつ洗練されていた。比較してしまうと、今作が部が悪いのはどうしようもない。ただ、単体の作品として観れば、キャラが立っていないのはストーリーに没入できるという利点になりうる。そして、ミカエルの設定などからして、もしかすると今作の方が原作に忠実なのかもしれない。

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