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キング・クリムゾン(King Crimson)『Meltdown: King Crimson, Live In Mexico』

公開日: : King Crimson

キング・クリムゾン(King Crimson)『Meltdown: King Crimson, Live In Mexico』

ライヴアルバムを連発しているキング・クリムゾンだが、もっかの最新作は昨年10月にリリースされた『Meltdown: King Crimson, Live In Mexico』だ。2017年7月のメキシコ公演を収録しており、CD3枚組にブルーレイという、ファンにとってはありがたいヴォリュームだ。

まずはCDの方。ディスク毎に明確なテーマは設定されておらず、ディスク1から3の中盤までで、おおよそのライヴのセットリストの流れになっている。「おおよその」というのは、現在のクリムゾンはセットリストの日替わり具合がかなり大胆で、多いときは20曲中9曲変えてくることもある。そうした日替わり曲もフォローしているため、ディスク2枚でも収まらなかったのだ。そしてディスク3の後半8曲は、2018年ツアーの音源を追加している。

個人的には、先日12月17日のオーチャードホール公演に足を運んだ。そのときに聴けた曲もあればそうでない曲もあるが、通しで聴くとライヴを追体験したような感覚になる。ミックスは、ビル・リーフリンが手がけているとのこと。ステージでは最も動きが少なく地味な人だが、一方でバンドのプロデューサー的な役割を担っているようだ。

そしてブルーレイだが、約150分のフルライヴで、メキシコでの単一公演を撮ったのか、複数の公演を組み合わせているのかは不明。メンバーの衣装など、曲毎の明確な差異は見られなかった(毎回全員同じ衣装なのかも)。

8人編成の配置は、前面にドラマー3人は7人編成のときと同様で、向かって左から右にパット・マステロット、ジェレミー・ステーシー、ギャヴィン・ハリソン。そして後方ひな壇が、左からメル・コリンズ、トニー・レヴィン、ビル・リーフリン、ジャッコ・ジャクスジク、そしてロバート・フリップとい配置。ビルがひな壇に移ったことで、トニー・レヴィンとの間が少し窮屈に見えるが、致し方ない。

映像は正面の全員を捉えるショットを基本にしつつ、8人のメンバーを個々にクローズアップ。ソロのときは、たとえばジャッコとフリップのように、弾いている2人をピックアップする。トニー・レヴィンは『Three Of A Perfect Pair』のジャケットがボディにプリントされたベースを主に使っていたが、先日観に行った公演ではそのベースは見当たらなかった。

曲によっては画面が8分割され、8人全員のプレイを同時にピックアップしていたのが圧巻だった。音としては、特にメル・コリンズのサックスやフルートが際立っていたように感じた。対照的に、ビル・リーフリンが何をしていてバンドにどう貢献しているのかが、この映像ではよくわからなかった。8人中最もピックアップが少なかったのも、この人だったと思う(それだけに、先日観に行ったときはまずこの人に注目した)。

『Neurotica』『Indiscipline』という80年代ナンバーが見事に再構築されているのも、CDはもとよりこの映像でより体感できる。ワタシが観に行った日ではオープニングナンバーだった『The Hell Hounds of Krim』が、この映像ではアンコールで披露されていて、ギャヴィン〜ジェレミー〜パットの順でプレイが始まり、3人同時のプレイとなり、という、音だけでなく視覚的にも楽しめるプレイが堪能できる。

スタジオアルバムを基本作らないという方針もあるかとは思うが、ハイペースでライヴアルバムをリリースしているのは、加入歴がさほどでもないジェレミーにも印税がもたらされるようにという、フリップの配慮もあるのではないかと思っている。個人的には、久々に日本以外のライヴ映像を観られたことを嬉しく思っている。

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