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ジョジョの奇妙な冒険 第6部: 空条徐倫 ―『石作りの海』(ストーンオーシャン)

公開日: : 最終更新日:2020/07/24 マンガ版 ,

ジョジョの奇妙な冒険 第6部:ストーン・オーシャン

2011年のアメリカが舞台で、単行本のカウントが1からになっている(シリーズ連番も併記されている)。現在の副題は「ストーン・オーシャン」。空条承太郎は、アメリカ人女性と結婚し娘がいたのだが離婚。その娘徐倫は、罠にはまって刑務所に入れられてしまう。承太郎は徐倫を刑務所から出そうとするが、スタンド「ホワイトスネイク」にスタンド能力と記憶を抜き取られてしまう。

ホワイトスネイクの本体は刑務所付神父のエンリコ・プッチで、徐倫を罠にはめた張本人。そして、真の狙いは承太郎をおびき寄せることだった。プッチは第3部の頃のディオと交流があり、ディオが目指していた計画を受け継ぎ、完成させるために承太郎の記憶が必要だったのだ。

シリーズ初の女性主人公、そして第5部では序盤にほんのわずかだけ登場していた承太郎が、娘を救う父という立場で再登場を果たす。中盤までは刑務所内の攻防で、徐倫がスタンド発現し、敵との戦いの中で何人かは味方となり、やがて真の敵の存在(プッチ)が明らかになる。

プッチがディオの意思を継ぎ完成を目指したのは、「天国へ行く」「幸福を目指す」こと。そのために「時を加速させる能力」を完成させてしまい、徐倫も承太郎も壮絶な最期を迎えてしまう。時を加速させた結果宇宙が一巡してしまうという、まるでのような壮大な展開になっているのだ。ジョジョ第1部が始まったとき、ここまで行ってしまうとは、いったい誰が予想できただろう。

主人公がラス前に死んでしまうという仰天の展開ながら、最期は少年エンポリオの活躍によって落ち着くところに落ち着き、感動のラストを迎えている。がしかし、ここまで約2世紀に渡って繰り広げられてきた、ジョースター一族の血縁は、ここで途絶えてしまったという寂しさも残る。

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