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フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』

フィリップ・K・ディック『マイノリティ・リポート』

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「ゴールデン・マン」などを著したSF作家フィリップ・K・ディックによる短編集で、表題作を含む7編が収録されている。

マイノリティ・リポート」は同名で映画化され、「追憶売ります」は「トータル・リコール」として映画化されている。ぶっちゃけ、この2編が入っていてお得用と思い入手した。どちらも映画の方を先に観ていて、後追いで原作を手にしている。前者は、予知能力者によって犯罪が未然に防がれているという世界観が興味深い。後者は、映画が思ったほど逸脱しておらず、原作の世界観を尊重していることが伺えた。

面白かったのは、むしろ、目当てにしていた上記以外の短編だ。「ジェイムズ・P・クロウ」は、ロボットが世界を統治し人間が召し使いやペットのような扱いという、結構衝撃的な内容。ちょっと「猿の惑星」を思い出す。「火星潜入」は、対立している地球と火星において、火星から最後の地球行きの宇宙船に火星の都市を破壊した3人のテロリストが潜んでいるという、宇宙船内の密室劇だ。短編は、読んでいってさあこれからというときに突然終わってしまうケースが少なくなく、それはディック作品を読んでも思う。しかしこの2編は、突然の終わりをうまくまとめている。

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