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「ジェフ・ベック 超人的ギタリストの伝説」を読んだ

「ジェフ・ベック 超人的ギタリストの伝説」

現在73歳、老いて枯れるどころかますます研ぎ澄まされていく印象すらあるギタリスト、ジェフ・。一冊まるごとジェフ・ベックを特集した書籍が、昨年河出書房から出版されていた。日本の作家やミュージシャンたちが、ジェフ・ベックを語っている。

ヤードバーズ時代からジェフ・ベック・グループ、ティム・ボガートとカーマイン・アピスとのトリオ(BB&A)、そしてソロという、この人の歩みを紹介するのはやはり定番。BB&Aのときに初来日を果たし、このときの公演が日本限定でライヴアルバムとして発売されたいきさつにも触れている。

今だ現役のギタリストだけあって、テクニカルな面への言及も少なくなかった。今でこそライヴDVDを結構リリースしてくれ、YouTubeなどもあって指の動きがわかるが、音だけ聴いて耳コピするのは到底困難だそうだ。ずっとフィンガーピッキングだったわけではなく、85年『Flash』の辺りからとのこと。

アルバムの考察は、読んでいてわかりやすい。『Blow By Blow』『Wired』への評価は、ロックにおいて新たなジャンルを作ったとして当然ながら絶大。『Flash』へのコメントが手厳しいのも、当然か。ヒットメーカーのナイル・ロジャースを迎えたことは否定しないが、ロッド・スチュワートと組んだのをもっと生かせばよかったのに、という論調だ。90年代はほぼほぼ眠っていた状態だったが、カヴァーアルバム『Crazy Legs』を再評価する向きもあり、ここで自身のルーツを整理できたことが、その後の何度目かの黄金期につながっていくという見方もある。

『Who Else!』に始まるデジタル路線は、賛否わかれている。個人的にははじめてこの人のライヴを観たのが99年5月で、まさに『Who Else!』のツアーだったこともあり、ジェフ・ベックの歴史の中でも重要な一枚と思っているのだが、往年のファンには好意的でない人がいても不思議ではないか。。。時代にリンクし、若い世代にも訴えることのできる、会心のアルバムなのに。

巻末のデータベースも充実している。定番のアルバム紹介だけでなく、すべての来日公演もセットリストつきで記載。集客で惨敗し1度限りの開催におわってしまったウドー・・フェスティバルや、ジミー・ペイジとの共演が匂わされながら結局実現しなかったクラシック・ロック・アウォードまでも網羅している。徹底ぶりがすごいな。

そういえば、直近のジェフ・ベック来日公演を観たのは、ちょうど1年前だった。若い女性アーティスト2人との共作をライヴでも表現する姿は、ミック・ジャガーとはまた違う意味で、年齢を超越した超人的アーティストだ。

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