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機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) (4)

公開日: : 最終更新日:2021/02/21 UC・NT

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)7

」と名がつく以上、当然ながら以前の作品と無関係でいられるわけがない。今作は、「継承」も非常によくできている。個人的には『Z』『ZZ』では「継承」を大きくしくじっていると思っているが、今作は『ファースト』ばかりかこの2作をも引き立たせている。

今回のロンド・ベルの旗艦は、『ZZ』のネェル・アーガマだ。地球にてラー・カイラムの艦長を務めるブライト・ノアは、『ファースト』『Z』『ZZ』『逆襲のシャア』に出続ける、ほぼ唯一?のキャラだ。歴代ガンダムパイロットを見続けてきたこの人だからこそ言える重いことばを、リディにぶつけつつ見守るシーンがいい。一年戦争の後ジャーナリストになったカイ・シデン、『Z』ではアムロのガールフレンドだったベルトーチカも登場する。

マリーダは、『ZZ』の強化人間エルピー・プルの12番目のクローン「プルトゥエルブ」だった。プルの性格を引き継いでいるのはもちろんだが、これまで強化人間にされてきた女性パイロットの集大成的存在だと思う。マリーダの上官であり養父でもあるジンネマンは、ランバ・ラルの系譜に位置すると思え、ある意味今作で最も映えているキャラだろう。

ラー・カイラムには、黒い三連星を思わせる「トライスター」がいる。呉越同舟となったネェル・アーガマに襲撃をかける連邦の戦艦は「ゼネラル・レビル」で、このネーミングは『ファースト』での「グレート・デギン」を思わせる。これらには少しひねりの入った遊び心が感じられ、観ていてニヤニヤしてしまった。

リディはジェリドやマシュマー、グレミーの系譜を継ぎ、バナージは言わずもがな歴代ガンダムパイロットの系譜に位置する。ではミネバは?常に気持ちを強く持つ勇ましさは父ドズル譲りで、凛々しく演説する姿は歴代ジオン当主を彷彿とさせる。そして「お姫さま」でもある彼女は、(あえてセイラではなく)アルテイシアの進化形なのではないかと思う。

この作品、『亡国のイージス』などを手掛ける作家福井晴敏による小説が原作で、それをベースにサンライズがアニメ化を実現している。以前、BSのガンダム特番で福井を見て、ワタシはあまりいい印象を持っていなかったのと、ガンダムの続編には当たりとはずれがあり、むしろはずれの方が多いので、これまで『ガンダムUC』には手をつけてこなかった。

さて、全10巻ある原作に手をつけるかどうか、これからじっくり考えることにする。

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