ポール・ウェラー（Paul Weller）『Just A Dream（DVD+CD）』

2008年にリリースしたアルバム『22 Dreams』にリンクする、DVD+CDのパッケージを入手した。『Find the Torch Burn the Plans』と同様、こちらも輸入盤のみの流通だ。

DVDはBBCスタジオでのスペシャルライヴで、その場にいることを許された客は、200人もいただろうか。ウェラーはオープニングから『Peacock Suit』で蹴散らすが、ステージに近すぎるからか、逆に客のノリはぎこちない。

編成は、バンド4人に加え、9人組の女性ストリングス、4人の管楽器隊と、かなり大所帯。それに加え、『22 Dreams』レコーディングにも参加したゲストが、曲毎に登場する。タイトル曲ではバーリー・カドガン、『Black River』ではグレアム・コクソン、『Echoes Around The Sun』ではゲム・アーチャー。

それぞれに実力も実績もある彼らを従えることのできるウェラーは、やはりすごいしカッコいい。ギターをかきならしながらエモーショナルに歌い上げるスタイルは、ソロ初期と少しも変わっていない。ギターは、ギブソンSG、テレキャスター、エビフォンカジノなど、結構頻繁に替えていた。

中盤に『22 Dreams』から4曲続けるところがあって、ウェラーが現在進行形たらんとするさまが伺える。アコースティックのコーナーでは、キーボード以外の3人を含めてステージ前方に横一列に構え演奏した。スティーヴ・クラドックはラップスティールもこなしていて、ウェラーへの長年に渡る貢献度の高さはハンパではない。

別メニューでは、ウェラーのインタビュー、2曲のPV、そして5曲のリハーサルセッションがある。特に見ごたえがあるのは、リハ映像だ。バンドとウェラーの5人での演奏だが、本番とは異なる衣装で若干リラックス気味に演奏しているのだが、適度に緊張感もキープしていて、映像としてはとても興味深い。

CDは、ブリクストンアカデミー公演を収録した、全13曲になる。DVDの物量を考えると物足りず、DVDが本編でCDはボーナス扱いという位置付けになっているのだと思う。ではあるが、BBCスタジオでのライヴの乾いた感じとは異なる、ふだんのライヴの躍動感が伝わってくる。