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ザ・ウォーターボーイズ(The Waterboys)_クラブクアトロ

公開日: : 最終更新日:2017/10/16 The Waterboys ,

ザ・ウォーターボーイズ(The Waterboys)_クラブクアトロ

18時30分開場19時30分開演と、平日の社会人に優しい時間設定に預かり、開場10分前に会場到着し、無事に入場。そして、時間通りに開演した。

ライヴは、予想通り新譜『Modern Blues』の冒頭を飾る『Destinies Entwined』で始まった。アルバムの出だしに相応しく、躍動感に満ち疾走感に溢れ、絶対にライヴ映えする曲と思っていた。いや、むしろライヴを念頭に置いてアレンジされているのかもしれない。

バンドは、後方は向かって左にキーボード、正面にドラム、その向かって右にベース。前方は右からギター、そして正面にフロントマンのマイク・スコット、左にフィドルのスティーヴ・ウィッカムという布陣だ。ドラムとキーボード以外はスーツ姿で、ボブ・ディラン一座を彷彿とさせる。

リズム隊ふたりは、一見地味だが音には存在感あり。大柄のギタリストは、イントロのリフや終盤のソロをマイクと分け合っていて、結構目立っていた。いや、マイク以外で最も目立っていたのは、キーボードの人だ。死神博士のような容姿だが(笑)、終始飛びはねながら鍵盤を叩いていて、バックヴォーカルまでこなしていた。

スティーヴのフィドルは、やはりスペシャルだ。曲によりエレキバイオリンとを使い分けていて、時にはステージ中央に寄ってマイクとギタリストと3人揃い踏みで弾くなど、スペースを有効に使い動き回っている。マイクとのコンビネーションは、楽器こそ違うがデヴィッド・ボウイとミック・ロンソンを思い起こさせる。

そしてマイク・スコットだが、帽子にメガネにジャケット姿と、一見草食系インテリ風だが、1曲毎に歌と演奏に魂を込め、それが観ている方にびしびし伝わってくる。エモーショナルな佇まいを発し伝えるうまさは、パティ・スミスにも劣らない。あまり汗をかいているように見えず、ばてるそぶりも見せず、どこにパワーが潜んでいるのかと思ってしまう。

キャリアの長いバンドで、リリースした作品も相当数あるが、新譜『Modern Blues』はそれらにひけを取っていない。エルヴィス・プレスリーやジョン・レノンなどの名前が出てくる『I Can See Elvis』やミディアム調の『November Tale』など、気が早いが年末に2015年のベストアルバムを選ぶとき、必ずランクインさせるであろう素晴らしい曲ばかりだ。

マイクが自らエレクトリックピアノを弾く曲もいくつかあって、終盤のそれは、やはりこのバンドのアンセム『The Whole of the Moon』だ。ここまで既に場内のテンションは高めで推移していたが、更にギアが一段入った感じになった。

これで本編締めにしてしまってもいいところなのに、マイクは手を緩めない。本編ラストは『Modern Blues』のラストナンバーでもある『Long Strange Golden Road』だ。同じ節で執拗なまでにリフレインするさまは、ボブ・ディラン『Tangled Up In Blue』のようだ。そして、終盤はギター~フィドル~キーボードのソロを披露させ、圧倒した。アンコールでは、『Fisherman’s Blues』を含む2曲を披露してくれた。

フェスで初めて観て衝撃を受け、その後単独公演に足を運ぶ。以前はそのようにしてのめり込んだアーティストが結構いたはずなのだが、ここ数年は(フトコロ事情などもあり)そういうのがなくなっていた。今回のウォーターボーイズは、久々にそれだ。去年のフジロックでは、当初マスト扱いしていなかったのだが、その場にいてほんとうによかったと感じた。

そして、今夜だ。CDで聴くとスマートにまとまっている印象だが、ライヴパフォーマンスとしてはラウドで、そしていい意味で荒々しい。このギャップもたまらない。クアトロクラスのライヴハウスで彼らを観られるのはほんとうに贅沢なことで、ほんとうならもっと大きな会場でさせてあげたかった。レーベルがHostessなので、たとえばHostess Club Weekenderのヘッドライナーにでも据えれば、もっと多くの人にこのバンドが持つよさが広まるはずだ。

セットリスト
Destinies Entwined
Still a Freak
A Girl Called Johnny
November Tale
Rosalind (You Married the Wrong Guy)
Glastonbury Song
The Girl Who Slept for Scotland
Nearest Thing to Hip
The Three Day Man
I Can See Elvis
Song of Wandering Aengus
Mad as the Mist and Snow
The Whole of the Moon
Don’t Bang the Drum
Long Strange Golden Road

Encore:
How Long Will I Love You?
Fisherman’s Blues

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