来宮良子さん死去

ナレーターの来宮良子さんがさる11月25日に亡くなられた。死因は肺疾患による多臓器不全とのことで、82歳だった。

テレビドラマやバラエティー番組、情報番組などで数多くのナレーションを務めていた。声にものすごく特徴のある人で、かつ巧妙な語り口は、大映ドラマや昼メロなどではこの後何かが起こりそうな予感を視聴者に漂わせるのにとても効果的だった。最近までは、ワタシの知る限りではテレ朝の『たけしの本当は怖い家庭の医学』でのナレーションが印象的だった。

冒頭に「ナレーターの」と書いてはみたが、ワタシにとってはアニメーション『銀河鉄道999』での、メーテルの母にしてラスボスの女王プロメシューム役が強烈だった。観る側はそのほとんどが主人公鉄郎やメーテルに感情移入し、プロメシュームは憎まれ標的にされる、非常に難しく損な役どころだった。それをこなすことができたのも、来宮さんの力量あってこそと、当時も今も思っている。

ナレーターといえば、男性だと、テレビ番組では故・芥川隆行、ラジオでは故・城達也が、それぞれ第一人者だったと思う。女性ナレーターとなると、来宮さんが第一人者ではなかっただろうか。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。