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ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)、5年ぶりに来日

Jackson Browne『The Pretender』

今月、5年ぶりに来日を果たす。オリジナルアルバムのリリースも6年ぶりで、ずいぶん活動の間隔が空いたようにも見えるが、ライヴの方はコンスタントに行っていた様子で、昨年は&ハートブレイカーズ(こっちはなんで日本に来ないんだー!?)と共にツアーしている。

ワタシが初めてジャクソンのライヴを観たのは、94年4月の来日時。この年は初めてを観た年でもあり、初めてを観たときでもあるのだが、このときのジャクソンのライヴが年間ベストだと思っている。以降ジャクソンのライヴは96年、98年も観ているのだが、やはり94年のときがベストだ。

ライヴも終盤に差し掛かり、アンコールへ。代表曲のひとつである『The Pretender』を切々と歌い、その歌声と歌うジャクソンの姿に、しみじみと聴き惚れていた。曲はそのままメドレーで『Running On Empty』へとつながった。『The Pretender』はジャクソン4作目のアルバムのラストナンバーであり、『Running On Empty』は続く5枚目のトップに位置している曲。『The Pretender』は静かな曲調で、対照的に『Running On Empty』はアップテンポな曲という、この2曲にはそんな関係性があるのだが、ここでとんでもないことが起こった。『Running On Empty』のイントロが響いたそのとき、それまで座っておとなしく聴いていたオーディエンスの多くが、ステージ前方に向かって走り出したのだ。

実際、このときの2曲にはオーディエンスを動かすだけのパワーがあったのだが、ワタシはなぜか呆然と見ているだけで、自分の席から動くことができなかった。それはコンサートでこんなことが起こるのかというのを初めて体感したことの感動であり、同時にその場に居合わせていながら自分はその中に加われなかったという後悔でもあった(このときの体験があったからこそ、この3年後のボブ・ディランのライヴへとつながっていく)。

この2曲を終盤で演奏するのは、ジャクソンのライヴでは毎度のことのはずなのだが、96年も98年のときもワタシが足を運んだ公演ではこの光景はなぜか再現しなかったし、ワタシも動くことはなかった。今回は果たしてどうなるか・・・?不安もあるが、今は期待の方が上回っている。

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